オレゴン世界陸上の金メダリスト,クリスチャン・チェーがドイツの室内競技会ISTAFで今季初戦を迎えた。
今年からフォーム改造に取り組んでおり、その動向が注目されたチェーだが記録は65m72とまずまずの滑り出しというところ。
まだ2月下旬であり、円盤投げでは珍しい室内競技会ゆえに風のアシストがないことを考慮すると屋外であれば66mは超えていたかもしれない。
砲丸投げキャンベルが22m超
一月から積極的に室内競技会に出場し、World Indoor Tour Gold Madridで今季四試合目となったラジンドラ・キャンベル(ジャマイカ)。昨年急激に記録を伸ばしてきた左投げの選手だが、奇しくも自己ベストの22m22をマークした同じマドリードでまたも22mの大台を超える22m16を叩き出した。
また、22m03のトマス・ウォルシュ(ニュージーランド)、21m68のレオナルド・ファブリ(イタリア)を破る殊勲を立てた。
ブダペスト世界陸上では決勝進出しながらもあえなくベスト8から漏れてしまったキャンベル。今季は一試合目から21m13を投げ、20m76、20m81ときて22m台に再び足を踏み入れることとなった。
昨年の22m22がフロックでなかったことを証明するだけでなく、好調をキープして自信を深めていることがうかがえる。
今年最大の目標は言うまでもなくパリ五輪だろう。過去この種目の五輪メダリストはおらず、世界陸上でも2015年北京のオデイン・リチャーズの銅のみ。現在の男子砲丸投げをリードするライアン・クルーザー,ジョー・コバクスといったアメリカ勢に勝利することは非常に難しいが、22m台のベストを持つ選手であれば表彰台の可能性は十分にある。
アメリカのトップ2がほぼ確実にメダル獲得するとなると、イタリア勢、トマス・ウォルシュやダーラン・ロマニ(ブラジル)らと熾烈な一枠争いが展開されることになるであろう。
シーズン序盤の調子を維持し、自己ベストを22m台中盤まで伸ばすことができればメダルの確立も飛躍的に向上するだろう。他の選手同様、ぜひキャンベルにも22mを投げられる状態で五輪を迎え、ハイレベルな決勝を展開してもらいたい。
円盤投げでは非常に層の厚いジャマイカだが、砲丸投げでもメダルを獲得しカリブの投擲大国を築き上げることができるだろうか。