“二重あごニッキー”砲丸投げ ニック・ポンツィオ(Nick Ponzio)

ニック・ポンツィオ(Nick Ponzio)はアメリカ出身、イタリアの砲丸投げ選手。カリフォルニア州テメキュラ出身、大学二年時にフロリダ大から南カリフォルニア大へ転入、2018年卒業。

Profile

ニック・ポンツィオ(Nick Ponzio)

国籍 アメリカ→イタリア

種目 砲丸投げ(回転投法)

生年月日 1995年1月4日

身長 183㎝(6’0)1ただしライアン・クルーザーが自身の動画で「測ったら172㎝だった」と証言

体重 143kg(315 lbs)

自己ベスト 砲丸投げ:21m83(2022)円盤投げ:56m47(2015)

叫び声:アッパァーッ(YEAH!)

来歴

きっかけは友人の誘いから

ポンツィオは高校に入学するまでは砲丸投げに触れたことがなく、それまではアメリカンフットボールや野球など様々なスポーツに親しんでいた。ある時、友人にやってみないかと誘われ「オフシーズンに筋力を維持するのは悪くないかも」と考え砲丸投げを始めることになった。

次第に興味を抱き始めたポンツィオは、トレーニング法や競技会のことなど様々なことを調べるようになった。

地元最強

グレート・オーク高校在学は自らも“ジーニアスコーチ”と仰ぐDoug Solesコーチ指導のもと、記録を伸ばしていった。2013年には21m212アメリカの高校規格12ポンド(5.44kg)によるもの。のリバーサイド群・カリフォルニア南部地区記録を樹立。また、この記録はカリフォルニア州高校歴代3位の記録でもあった。

ジュニア規格(6㎏)でのベストは18m47。地元では強豪選手ではあったが、世界大会に出場できるほどの実力はまだつけていなかった。

 

大学時代

オーク高校を卒業後、フロリダ大学3陸上ファンには短距離のサニブラウン・アブデルハキーム選手の母校として有名。へ進学したものの、競技には出場せず。2014年にアトランタ五輪金のバラス・キシュ(ハンガリー)を育てたダン・ランジコーチの指導を仰ぐため南カリフォルニア大学へ転入した。

 

歴史ある陸上チームだったから、(転入の)決断はそう難しくなかったよ(ポンツィオ)

 

元フットボーラーということもあり、体重が重いポンツィオには高校規格からシニアの砲丸へ移行することは苦ではなかった。2015年に19m台の壁を突破すると、その年19m53まで記録を伸ばし全米大学選手権では8位入賞を果たす4http://fs.ncaa.org/Docs/stats/track_outdoor_champs_records/2014-15/D1Men.pdf

その後2016~2018年までは記録が19m台で伸び悩んでいた。そんな時出会ったのが世界陸上の銀メダリスト、ライアン・ワイティングだった。

ワイティングとの出会い

2019年、ランジコーチの勧めでライアン・ワイティング52013年モスクワ世界陸上銀メダリスト。ダレル・ヒルのコーチも務めるとトレーニングを積むことになったポンツィオ。ワイティングのトレーニングは、それまでただ体を大きくしてウェイトの重量を上げたり、速くなれば良いのだと考えていたポンツィオとは異なるものだった。

それは通常は必要ないとされている動きやトレーニングであり、ポンツィオをより万能なアスリートへと成長させようというランジコーチの計画の目的に他ならなかった。ワイティングからトレーニングだけでなく精神面でも多くのことを学んだとポンツィオは語る。

3年間自己ベストを更新できずにいたポンツィオだったが、この年6月ついに20m台を突破する20m01をマーク。その後も記録を伸ばし、20m73でシーズンを終えた。

2020年は更なるブレイクスルーを迎え、全米室内選手権で2位に(20m85)につけると、その数日後には初の21m台となる21m01をマークし前年に続き大台を突破。

7月にはベストをさらに更新する21m72の大投擲。アメリカの砲丸投げ選手としてはビッグ36ライアン・クルーザー、ジョー・コバクス、ダレル・ヒルのことに続く4番手5番手くらいの位置まで来たと言えるだろう。練習では既に22m台を複数回出しているようで、本人曰く「練習の再現を試合ですること」を念頭にトレーニングに励んでいる。

 

2022年現在、ワイティングとの師弟関係は解消している。

2021年

東京五輪出場に向け、6月にアメリカから曾祖父の祖国イタリアへ国籍変更した。東京五輪にはイタリア代表として出場するも20m28で予選敗退。

 

2022年

3月に21m83の自己新をマークすると、同月7日の試合で21m61の室内ベスト、19日の世界室内選手権では21m30で7位入賞を果たす。初出場となったオレゴン世界陸上では予選で21m35で通貨標準記録を突破し全体4位で決勝に駒を進めた。しかし二日後の決勝では満足のいく投擲ができず20m81で9位に終わった。

 

体格・筋力

体重は143㎏と重いが身長は183㎝しかなく、世界の砲丸投げシーンでは最も小柄な部類に入る。

プッシュプレス185kg、ベンチプレス230㎏で複数回のセットを組めるほどの筋力がある。ベンチプレスのMAXは250㎏。

以下はゴールデンスパイク2020での記念撮影。クルーザー(201㎝)、シュトール(199㎝)、ファッビーリ(200㎝)ら2m級の選手と並ぶとポンツィオが非常に小柄であることがよくわかる。

 

 

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20,83m again at @memorial_kamili_skolimowskiej for the 5th place! Great to compete with this #strong guys! #shotput #throws #competition #hardwork

David Storl(@shotputdevil)がシェアした投稿 –

Youtubeチャンネルの企画で野球ボールを投げ、球速123kmを記録した。

11年ぶりに野球ボールを投げたという7最後に投げたのは15歳の時

 

技術

投擲フォームは右脚を高く振り上げて回る、トム・ウォルシュにも似た回転投法である。細かい点で相違はあれど高校時代からこのフォームで投げており、特にワイティングの影響というわけではなさそうだ。ジョー・コバクスとトム・ウォルシュを足して2で割ったようなフォームと言えるかもしれない。

 

人物

非常に個性的なキャラクターでファンから親しまれている。自身の顔をプリントしたシャツを着て大会に出場したり、テレビゲーム「スーパーマリオ」をオマージュしたシャツを製作してみたりと人を楽しませることに余念がない。

 

家族

1995年1月4日、カリフォルニア州サン・ディエゴにてジェフ・ポンツィオとジェミーの間に誕生。アマンダ、オリヴィアというきょうだいが二人いる。

 

趣味・嗜好

趣味はウェイトトレーニングと食べること。好きな食べ物はイタリア料理。またその嗜好や外見から“Nicky two chins(二重あごニッキー)”という愛称で呼ばれることがあるようだ。

 

その他

8㎏の砲丸で20m39を投げることができる。また、練習のベスト記録は22m25で将来的に22mプッターになる可能性が非常に高い。

2022年、世界陸上オレゴンの大会期間中に日本のお笑いコンビ「空気階段」の鈴木もぐらに似ているとネットニュースで取り上げられ話題となった。

 

インスタグラム:https://www.instagram.com/chubbydiamonds/

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